<記録NO.1>

真っ暗です。

何も見えません。

ワタシは誰?

ココは何処?

記憶喪失者の、よくある

自問自答を試みたが

答えは見つからない。

どうしよう。

!!

そうだ、
































目をあけよう。

ワタクシ、おバカでしょうか。






























パチッ



なんだろ、船に乗ってるみたい。

奥に船長らしき人物、船員。

そして手前には

正座させられてる半漁人。

なんだこの光景は。
































て、

オレだコレ。

座ってるよオレ。


何がどうなってココにいるんだ。

捕まった半漁人なのかボクわ。

何だろう、全然思い出せない。


























のそっと立ち上がってみる。



ま、とりあえず怒られないみたいだ。

正座って、反省してるっぽいよね。

何となく。

とりあえず、現状を把握しなくてわっ!

あの見るからに船長なオヤジに
聞いてみようじゃないか。



超船長だ、

片目だし。

お決まりでしょ、ソレ。






























「あのーすいません・・・」



「ぺらぺーら」

































「・・・・・・・。」



「何いってんだ船長、
アホなのか?」

お前がアホだ。

わかんねいよ。


どうしよう、言葉まで記憶喪失なのかボクわ。

明らかに種族違うし、
ボクは海に帰るべきなのか。































でもまあ、ご挨拶。



画面の向こうのアナタ。

いつまで続くかわからない
この記録をどうかよろしく。

半漁人Bajilikoの冒険を、
面白おかしく紹介出来たらな。

て思っております。

最初に言っておきますけども、
よく見かける日記のように、

為になる情報とか攻略法とか

全くありません

そこんとこ、変に期待しないでね。


























顔怖いけど、



陽気なんで。

怖がらないでね。


ていうかね、Bajilikoって






























トカゲらしいよ。

半漁人に見えたわ。






























さて・・・



思いっきり船上だ。

大海原に、ちっぽけな船だ。

バジリコは、どこから来て
何処へ向かってるの?

全然わかんないわよ。

トカゲなら、トカゲの国に行きたいじゃないか。

トカゲの国に向かってるんだろうか。
























する事も無いので、
いる人に話しかけてみるか。



ちっさおっさん。

船員にも見えないし、
客なのか?アンタ。






























おねえさんも。

どうしました?おねえさん。



もう、

読む気にも
ならない


そんな長文で語られてもね。


ま、元気そうだよ(わは




























船後方に、囚われた生き物がいた。



悪い生き物なのか?オマエわ。

見張りのおばさんに
ガッツリ見られつつ

箱の中身を観察した。


























言ってる事は意味不明だけども、

必死に助けを求めてる感じ。



仲間を見るような目で、

違うよ僕ははんぎょ・・・いやトカゲだ。

助けてあげたいけど、

自分の事もよく分からない今、

勝手は出来ないんだ。


しばらく見ていた、
























なんか、



むかついた。

何だオマエわ。

一生捕まっとれっ!

























ま、そんな事はどうでもいんだけどさ。

気になるんだよね、さっきから。

























おばさん・・・



見すぎ。

そんなに珍しいのか、ボクが。

ただのトカゲじゃないか。

トカゲが立って話したりしてるだけじゃないか。




















珍しいな。

うん、確かに珍しい


オレなら捕まえるね。

売り飛ばすね。

!!


捕まえる気
なのか。


納得


そんで箱に入れるんだな、
あの緑の生物のように。

どうしたものか、逃げ場の無い海だし。

いや、頑張れば勝てるんじゃないのか?!

でも片目の船長強そうやし・・・

























その前に、おばさんて



お店だった。

見張りじゃなかったのか。




























ところで、

いつまで続くんだこの航海。



むやみに波が高い気がするけども、
気のせいなんだろうか。

記憶が無いってのに、
こんなところで終わりたくないぜ。





























なあ、船長。

いつごろどっかに着くんだい?この船。

「ぺらぺーら」

相変わらずアホだなぁ、船長。

「ぺらぺらぺーら」

ところで船長、

後ろのほう、




























派手に、



燃えてますけど。

いいの?あれ。



























ああ、ドラゴンか。



デカイねえ。




























飛んでるねえ。



ドラゴン・・・・



























って!!



燃えてるって!

アホウかあんたら!

何落ちついてんだ!

ていうか緑の生物逃げてるってっ!!


おねえさん襲われてるよ!

やっぱり悪いやつだったんだな、
緑のヤツ。

誰も助けないのかー

誰も全く助けようとしない。

何だ頼りないヤツラめ!

こうなったらバジリコが助けなくちゃっ!




























とりゃーー!!



ソレ違う

あ、慌てるなバジリコ!

























彼女が危ないっ!



今助けるからねっ!!

おらー



























「ふーん」



綺麗にパカッと開いてるわ。

ホンマに逃げたんやなぁ。

























早く助けろ

はい、大多数意見ですね。

ビビッてないよ!

























ゴブリンめっ!



こんなろう!こんなろう!

ポカポカっ

























結構ボクって強いみたい。



何もしないで見てた
ネコ人間も、

今頃騒いでる。

バジリコがやりましたっ

すっかりバジリコはこの船の英雄さ!




























そんなこんなで、事件が起こりつつ
バジリコの航海は続いた。



ハゲたおっさんに、

























メット



かぶせてみたり

コミュニケーションをしつつ、
言葉が通じないハンデを押しのけ
楽しい旅となった。






























楽しくなると、
時間がたつのが早いもので。



遂に、どこかの港に到着。

どうやらここが

バジリコの目的地だったみたい。

自然と降り立った。



























この広い海のどこかから、
はるばるやってきたんだな、ボク。



もしかしたら、

トカゲの国から、飛び出してきたのかもしれない。

何か目的があって、

何かを成し遂げるために。




























港出口で、ふいに話しかけられる。



「君は何者だい?」

そんな問いに、自然と答えていた。



























ボクは

偉大な魔法使い
になります


大昔、言ってた記憶・・・・

あれは夢なのか、幻なのか。

時々思い出す、あの戦場。

沢山の仲間達。

コレは自分の記憶なのか?・・・・・

そこで、元気に走る自分の姿は、

























トカゲじゃ
ないような


そんな気がしますけども、

まあ、気にしないでいこう。

大事な事なら、いつか思い出すさ。



ノンビリ暮らしながら、

何かを掴もう。

一つだけ思い出した、

偉大な魔法使いになるという

目標を胸に。

<記録NO.1終わり>