記録No,14



バジリコは飛空挺乗り場へ来ていた。



森で知り合った子豚と一緒に。

「お前、大きくなったら何になるんだ?」

「ぶひ」

「そうか、なるほど」

わかんないけど。
























最近技術の結晶。

飛空挺、空飛ぶ船である。



でかい風船で浮力を得る最新技術。

風船て

ちょい不安。


しかし、そんな危険なんて

グリダニアで過ごした時間に比べれば、大したことじゃない。

色んな事があったっけな。

そして今日、バジリコはこの国を去る。

世界は無限に広がっている。

まだまだ見たこともない何かを探しに旅に出よう。


大げさにお別れするのは苦手だ。

こっそり旅立とう。
























と、思っていたが


「バジリコーーーーー!!」



グリダニアでお世話になった人達だ…。

何も言わずにいなくなろうと思ったのに、みんなありがとう。

バレバレだったんだね。

























「待ってるよ…バジリコ」



ねえさんすいません。でも僕は行かなくちゃいけないんです。

あの日の朝ごはん、おいしかったです。

























「ありがとう…バジリコ様」



そして伝説はこう語る…

世界に混乱が訪れしとき、

クリスタルの輝きをまといし勇者が現れる。

クリスタルの光で闇をはらい、世界に平穏をもたらすであろう。


今日の空は晴天。

一人の若者によって、闇ははらわれ

世界は平和へと向かい始めた。


伝説の勇者バジリコ


その後、彼を見た者はいない…


しかし、彼を忘れる者も

ただ一人としていないだろう。


そして伝説へ…










































































じゃない。

終わってないわ!

誰だ勝手に伝説にしちゃったのは!



今めっちゃ飛んでますって!!

ちょっと姫のお願いで

他国にお使いに来ただけですって!!

またすぐ帰るのに。

大げさに見送られたら、戻りづらいじゃないか、まったく。



























ジャジャーン



無事に到着。

何とか風船割れずに来れました。

リムサ・ロミンサ

海に囲まれた海洋都市。

さあ、新たな出会いがバジリコを待っている!?



























まずは冒険者ギルドへ。

どの国でも最初に訪れる施設である。



冒険者達で賑わっている。

新しい雰囲気に、バジリコも心を躍らせていた。

どんな出会いがあるのだろう。
























どんな出会いが…

「………………。」



「………………。」






























兄さん僕、



恋に落ちたみたいです

太陽が眩しかった。

でもあの娘の目が、もっと眩しかった。

























あ、そうだお使い頼まれてるんだった!!

不意な運命の出会いに、全てを忘れるところでした。

危ない危ない。

姫さんに怒られるわ。



「冒険者を使いに出すとはな」

散々な言われようですが、

何とかお偉いさんの部屋に通してもらえました。

めさ睨まれて、相当アウェイな気分です。

























「遠いところ、御苦労であった」


って、あっ…



団長じゃないすか

あの夢に出てきた人だっ!

実在してたんですね、びっくりです。

バジリコいよいよ超能力者の領域です。


姫さんからの手紙を渡し、リムサ・ロミンサでのお使い終わり。

超簡単なお使いでしたわ。


これで、次はウルダハへ行けとの指令ですが、

これだけでまた飛空挺では味気ない。

もっとこのリムサ・ロミンサを楽しもう。

だってバジリコは、冒険者だもの。


泣いたっていいじゃない。

だって人間だもの

急にどうしたんでしょうね。



























さて、

まずは国を見て回ることにしよう。

どんな人々が暮らし、何を目指し、どんな暮らしをしているのか。

きっと森林の国グリダニアとはまた違った

人々の暮らしがあるに違いない。

海の国リムサ・ロミンサ。でっかい船とかあるのかな!



……。

ま、色んな生活がありますよね…。


























なるほど。



ヤンキーの国ですか

怖いです。

カツアゲされそうです。

大至急遠くに逃げました。

























気を取り直しまして…。

海に面した国、

リムサ・ロミンサ!

しつこい






















海に面しているだけあって、

釣りが流行ってます。

釣り職人達の集まりである、釣りギルドもこの国にありました。

釣りなら安全で新鮮な魚を食べられるかもしれない。

ってワケで、



バジリコもしれっと入会。

初心者道具を貰い、再び

クワガタになり

釣りを趣味にする事に決めました。

戦ってばかりが冒険じゃない!

だって人間だも… ボカッ






















しつこ過ぎて

誰かに突っ込まれました

誰なんだいったい…























まあ、いきなり趣味にすると言っても

しょせん初めてやる初心者に

そう簡単に釣れるワケもない。

最初の一匹はきっととても嬉しいんだろうな。

そんな想像をしながら、腕を上げていつかは




釣れたわ

一撃で。

人生で初めて餌を付けて

初めて糸を垂らして

もう釣れた

それもこれもきっと

クワガタ効果

クワガタって偉大だな。


















海が多いせいか、太陽が海面に反射し輝いて

景色がとてもいい。グリダニアのちょい暗めな雰囲気と違い

常夏バカンスハワイアンだ!

















と、フラフラしていると

大きな船を見つけた。



すっごい高い所から見つけましたけども、

バジリコ高い所を見つけると、

飛び降りたい衝動にかられるのですが

ここでは無理でした。

システム的なルールで。

残念です、海に飛び込みたかった。


























近くで見たかったので

ぐるーっと回って船着場へ。



超デカイ船でした。

豪華客船。というより軍艦なんでしょうか?!





























で…あれは



どういう事でしょう

捕まってるの?




























急いで甲板へ上がり、そこで見た光景とは!!!



海賊ですか?

きっとリムサ・ロミンサの何とか隊でしょうけども、

ガラ悪いですよ、あんたたち。
























んまあ…、色々事情があるんでしょうね。

吊るされてる人にだって、いろんな事情とか趣味とか

あるんでしょうね、うん。尊重しました。



で、やっぱりバジリコは高い所が好き。

細長い所に立つのも好き。

ちょい、膝がガクガクしますけども。

ヤッホー!

山かっ!
























子豚ちゃんも

すっかりバジリコになついてまして、

こんな細い所にまで着いてきちゃう。

物凄い高所だから、気を付けてね。




言ってるそばから

落ちそうだけどね

危ないってば。



























本当、どこにでも着いて来ちゃう。



でもなつかれると可愛いです。

わかったよ、

食べないよ

うまそうだったのに。


これからもよろしく、子豚ちゃん。
























そして、勇者バジリコは子豚と一緒に旅立った。

その後、彼らを見た者は…



だから

まだ終わりじゃないって

誰だ、終わらそうとしてるのは。


 記録No,14終わり


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