<記録No.182>


私は、アトルガンから来た青魔道士Bajiliko。

まだ見ぬ世界を旅しながら、

更なる力を求め続ける、魔にとりつかれた男。

「最近の不滅隊任務は、退屈なものばかりだ」

…すっかり口癖になっていた。

そんな時、不思議なものを見つけ

早速調査に取り掛かった。



…何だこのパワーは。

世界をも飲み込みそうな力を感じる。

無数の「魔」を取り込んだ自分の体が、

今までに感じたことの無い反応を示していた。

ゴゴゴゴゴゴゴ…

なっ!!

瞬間、黒い光がバジリコを包んだ。



















光となり、その口へ吸い込まれた。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



























気づくと、また同じ場所に立っていた。



「なんだったんだ今のは…」

同じ場所?…

確かに景色は似ている。

しかし、その場の空気も、匂いも、色も。

観察すればするほど、先ほどいた場所とはまるで違う事に気付く。


吸い込まれたとき、

一瞬だが、おかしな世界に降り立った。

夢なのか、今となっては分からないが

こうしていても始まらない。






















道中、見たことも無い猛獣に襲われ、

不本意ながら、逃走するバジリコ。

が、逃げ切れそうもなかった。

この世界に、これほど強い敵がまだいたなんて。

どこともわからない地で、誰にも知られずに死んでいく運命なのか。

無謀な旅に出た結果が、

こんな結末なんて、自分らしい…。


あきらめかけた時、

数人の兵隊が通りかかり、その猛獣を

いとも簡単に倒してしまった。


……。


もう少し、生かされるようだ。

「こんな所で何をしている、君も傭兵だろ?拠点はすぐそこだ。

もうすぐ獣人軍が攻めてくるぞ。急げっ!」


傭兵? 獣人軍?

何を言ってるんだコイツらは。

しかし、今は右も左もわからない状態だ。

その拠点とやらに行ってみる事にするか。

何かがわかるかもしれない。



拠点には、かなりの人数が集まり

武器の手入れをする者、強化魔法をかける者、

緊張を隠せない表情の者もいれば、

これから起こる何かを、楽しそうに待つ者までいる。

何とまとまりの無い集団だろうか。


規律の厳しい不滅隊員としては、

歯がゆい光景ではあった。


しかし、このご時勢に獣人軍が攻めてくるとは

どういう事か。

魔笛のような宝があるとも思えない、この殺風景は拠点に。


すいません。























めんどくさい

限界です。アハハーン


途中適当に想像して貰いまして、

続けます。

























つまりは、あの「異界の口」によって吸い込まれた先は

過去のヴァナディールだったというワケか。

信じがたい話だが、

そう考えればつじつまが合う。



数十年前に、獣人軍と人間達に

世界をかけた大きな戦争があったという。

大いなる犠牲を払い、人間達が勝利するという物語。

誰もが知っている話だが、

謎が多いのも事実。

歴史の裏側には、常に何かがあるものだ。


せっかくこの戦乱の時代に飛ばされたんだ、

獣人軍相手に腕試しってのも悪くない。



気づけば、いくつもの戦場を駆け巡っていた。






なめていた…。

生まれる前の世界に、

こんなに強い獣人達がいたなんて。

そして、互角に渡り合う人間達。



戦闘前には、バラバラだった兵隊達も

戦闘が始まれば団結、強大な敵も

確実に沈めていく。

凄いヤツラだまったく。

知らず知らずに、バジリコにも「仲間」と呼べる友が出来

急速に、この時代に馴染んでいった。


緊張の毎日だが、居心地が良い。

不滅隊員の頃とは

比べ物にならないくらい、充実している。


魔を取り込む、ただの器と化したバジリコの体が浄化されていく。

それは、青魔道士としての力を失う事なのかもしれないが

何かから、開放されていく気分だ。


このまま身を任せたら、任せたなら


人間に、戻れるかな…


数日後、

浄化されたバジリコが、ジュノの街角にたっていた。





















それはそれは、

汚れを知らない、




誰ですか

というワケで、アルタナです(わは

<記録No.82終わり>