<記録No.1>


伝説はこう始まる。


のどかで平和な村がある。

森の中にひっそりと、沢山の人たちが暮らしている。

丘を歩いている。


























骨の人。



骨ですか

うん、のどか。

そんなステキな村の、物語。
























シーンは緩やかに、

とある墓地へと移り変わる。



人々に忘れさられ、

傾き、崩れかけた墓地。

どんな人たちが眠るのか。



























その奥で、何かが起き上がる。



「・・・・・・?」

「生きているのか・・・俺は」

「ここは・・・いったい・・・」


墓の奥で、立ち上がる一人の男。

この世に未練なのか、再び現世に舞い降りた天使。

彼の名はBajiliko。

遠い昔に、偉大な魔法使いと呼ばれた男。
























偉大な魔法使い・・・。

天使・・・・。

「ギャーーッ ゾ・・ゾンビ!!」



って

コレなの?俺

何立ち上がっちゃってんの、ボク。

死体なのに。

生きてたっていうか

生き返った。


バジリコです、こんばんわ。


























生き返るって、違うと思ってた。

綺麗な体で生き返ってこそ、

新たなる人生なんじゃないでしょうか。

腐ったまま生き返ってどうすんのボク。

これじゃモンスター扱いじゃないか!

いったい誰だ、勝手に生き返らせたのは。


おかしな儀式で起き上がったんですか?!

骨とか飛び出しまくってるし、どうしよう。




とりあえずは、外に出よう!

腐ってるけど、新たな人生なのだ!


























おお、広い世界。

記憶は無いけれど、何かを見つける旅にでよう。

「!!」



なんかビックリしてる人が・・・。

























「ギャーーーゾンビ!!」



ボクもだけど

ゾンビの村なの?!

何なのこのビックリゾンビわ。

言ってる事はよくわからないけど、

敵では無いようだ。

























と、とにかく!村を知らないといけないよ!

てワケで、のどかでステキな村を探索。

とある建物で、



何だコレ

何の肉片ですか!?

ホラーですなぁ、うんうん。


沢山の住人がいるようですが、

人間はいない

死の町・・・。


でもゾンビが物売ってたり、

ビックリしてたり、
























と思えば



ハテナゾンビ

まで出てきて僕を悩ませる。

いったい何だよもう。






















あちこちに、ハテナゾンビ。



色違い

わはは

もう笑うわ。


色んなゾンビと会話するうちに、

アレコレお仕事を頼まれてるのね、いつの間にか。

よく分かんないんですけども。


ボクはゾンビ。

もうこれは変えようの無い事実みたいです。

ならばもう、ゾンビとして、どう生きていくかを

考えるべきで。

悩んでたって始まらない。

こうなったら、

偉大なゾンビに

なってやろうじゃないか。


ゾンビ友達作ろう!

100人は作ろう!

「・・・・・・・・・・・。」

想像すると気持ち悪い。

けど頑張るよ!


























「こ、こんにちわっ!」

「ボクは新米ゾンビ、バジリコですっ!」



「イエーイ!!」

ノリノリでハイタッチ。

「アハハ、君顔こわいねー」

腐ったもん同士、仲良くなるにはハイタッチ。

明るくいかなくちゃね!
























って、

キラキラ〜て。



死んだの?

てゆか、物凄い勢いで

噛み付いて引っ掻いてきましたけど。

友達にはなれないの?!


どうやら、理性の無いまま蘇ったゾンビもいるようです。

あぁ〜怖い怖い。ゾンビ怖い。


























近くの建物の中に、友達発見。

よし、アレだ!

バジリコと、体の様子が随分違うけど

心臓なさそうだけど、心はきっとある!

分かり合える!

「イエーイ」



チャキーン
































ザクッ



殴られた

ダメなのか!


まあ、どうみてもアンタ
































モンスターだしな

人事では無いが。































せっかく生き返ったのに、一人ぼっちか…。



一人座り込むバジリコ、考える。

悩めるゾンビ。

この姿で、何を成し遂げられるだろう。

何の為に、ボクは生かされたのか。

無限に広がる空は、何も教えてはくれなかった。



























なんて、




何も考えて無い

そんな様子で、冒険は始まったみたいです。











<記録No.1終わり>