<記録No.13>



湖の向こうに、お城を見つけた。

霧の中にうっすらと浮かぶお城。

かっちょいいなぁ〜。

きっとステキなお姫様が住んでいて、
中々外には出してもらえず、

寂しそうにいつも外を眺めている。

通りかかるバジリコを見かけたお姫様、
初めての恋に落ちる。


視線に気づくバジリコ、見詰め合う二人。

言葉なんていらない。

二人は、

そうだ!



























お城に行こう

今すぐ行こう。

行かなくちゃいけない!

お姫様が待ってるのだっ!





























泳ぐのが得意なバジリコ、
勿論水中からお城にアタック。



普通の人より息が続くんですよ、

死体だから。

酸素、少しでいいみたいですボク。


























きっとそろそろ、お城の庭に上陸。



と思ったら、
到底適いそうにない敵が、

お城への侵入を阻むように配置されていた。
なんてこったいっ!

そう簡単では無いみたいだ。

でも、障害があったほうが、愛は燃え上がるんだぜー!!

いえーい、ノリノリだゼ!


























まわりまわって、迷って到着。



おお!さっきよりお城がハッキリ見える!

思った通り、立派な
お城だな〜。

























ととととっ!!

ガードマンに発見された!!

何だチミわ〜



でもでも、こいつならバジリコでも勝てる!

ギリだけど勝てる!

よし、こっち側から侵入だ。

道が見えてきたぜ、こんちくしょう!


と、ここらの敵をしばらく倒し、

いよいよお城へと進む。

ワクワクしてきたわ。





















んが、またもやアイツ。



派手な蛍光カラーのガードマンが

うじゃうじゃと待っていた。

だ、ダメだここも。

また水中から、弱そうな隙間を探すしかないのか。

愛は勝つ!
























ぶくぶくぶくぶく……



スイスイーっと、華麗に泳ぐ。

お城の周りをウロウロと、完全に

不審者だけど

気にしないでね。



























よし、この辺はどうだろう。

ざぱーんと勢いよく丘に上がり、

見渡した感じ、

お城とは反対側の陸地?…



戻ってきてるし。

てゆか、もう

めんどくせ

やめたやめた。

八つ当たりに、そこらにいた敵を皆殺し。


いんだいんだ、どうせ

お姫様なんて


妄想だしさ

ここらで現実に戻ります。

何事も無かったように。



























さて、

空を行くこんな乗り物も、

今ではちゃんと



自分の意思で

乗れるようになりました。

間違って飛ぶような失敗は
もうしなくなったんだよ。

成長したな、バジリコ(わは

























最近、拠点にしている村の地下で、
今日の冒険を終わろうとしていた。



地下で眠るのが、もっとも落ち着く種族なんです。

棺おけもあるし、最高だな。


なんてうとうとしていると、




戦士おまめが登場した。

何かスゲエ剣を持ってますね。

知らない間に、超武装ゾンビになっていた。

残念だけど、今日はもう寝ますよー。



























で、その前に



ソレなに

とりつかれてますか。


何そのプチ悪魔。

かなりニヤけてますけども。

ま、そんな事より























おまめさん



顔こええ

腐りすぎ。

バジリコより、長い間放置されていたに違い無い。

でも、毛根は強かったんだね!

アハハハハー

おまめ「……喰らえ…」

え?

























えええええええぇぇぇぇーーーー!!



こっちに憑いた

いやああぁぁぁぁぁーー


なんて事するのおまめっ!!

気持ち悪い!取ってコレ!コレとってよ!!


























「・・・・・・・・・・・・・。」



こっち見るな

横目で。


あっ、逃げるなおまめ!!

地上への階段を

物凄い勢いで逃げていく。

まて!!























急いで階段を駆け上がり、

2段飛ばしで駆け上がり

おまめを追い詰める!

この気持ち悪い生物をたたき返してやるわっ!!



























捕まえたゾ!おまめ!

このままじゃ寝られないじゃないか。


























って、



誰だ貴様

変わり身の術か?!


バネでびよんびよんしてる。

何この看板。手振ってるし。

























って何か



むかつく

ムキーーっ!!



























しまった…、おまめの術中にハマってしまった。



どこ行った!!

町の外へ逃げたのか?!
























もーーーーー



全然離れないよバカ

完全におまめを見失った、どうやって追い払うのかも

わからないし、どうしよう。

























しょうがない、もう寝る!



馬小屋で、

添い寝した。

覚えてろマメ…








<記録No.13終わり>