<記録No.2>



こんばんは、Bajilikoは元気です。

死体だけど、元気です。

もうこの姿には吹っ切れました。

ボクはゾンビ。

もう人間じゃないんだ…。

そんな事実を突きつけられた。























目覚めた村周辺を、隅々まで探索するうちに、

とあるキャンプを発見。

それは何と人間達のキャンプだったのだ。

バジリコはこんな姿でも、心は人間のまま。

話せば分かる。

見た目で差別なんて、時代遅れな妄想だぜ!

人間は手を取り合って

時代を乗り越えてきたじゃないか。



緊張しつつも、出来るだけ平静を装い

ほこりを払って近づいた。


























んが!

言葉をかける暇もなく、

バジリコを見つけ次第、襲ってくる人間達。

その人間達にとってバジリコは

敵であり、憎むべき存在だったのだ。



目が合っただけで、襲ってくる。

やらなければやられる…。
























バジリコだって、元は人間だったのに。

心もあるのに。



「いやぁーーキモイ!!」

とか

言わなくなって

いいじゃないか、バカッ!






















やってしまった…。

遂に一線を越えてしまった。

人間を殺したらもう、人間じゃない。



蘇った死体バジリコは悩む。

こんなハズじゃ無かったのに。

ただ、見た目が腐ってるだけなのに。

ただ、ちょっとだけ

生臭いダケなのに。

人間なんてっ!!






















んま、そんなワケで



吹っ切れました

人間殺しちゃったし。

闇で生きてやろうじゃないか!

























さて、目覚めた村周辺での修行中

ちょっとした建物を見つけた。



人の気配は無い。

いるのは無数の大グモ。

使われなくなった廃坑っぽい感じ。




よくわからない機械とか、放置されてました。
























中には、こんな蜘蛛がウジャウジャ。



1匹づつなら、バジリコでも余裕な相手。

どんどん倒しながらつき進みます。

経験も稼げてプチ冒険なのだ。























と、ひらけたところに

宝箱を発見した。



初めて見るけども、

魔法使いでも、開けたりとか出来るんだろうか。

とにかく触ってみたい!

冒険にお宝は付き物だね、うん。






















パカッ



余裕で開いた。

けど、

中身忘れた

なんだったけな(わは



一人きりの、プチ冒険をして

適当に言われた仕事をこなし、

何となく、村が狭く感じ始めた頃、

「外の世界ってどんなだろう」

なんて思う。

だってボクも男の子だもん!うふふん























てなワケで、外に出てみた。



深い森が広がる、怪しい大地がそこに。

いきなりの分かれ道、

ここが運命の分かれ道になるのか、

でもワクワクしちゃってるよボク。


自分の姿に吹っ切れたら、

モンスターになった自分を考えれば

何も怖いものなんて無いハズだ。




























思うままに進んでみようか、

「・・・・・・・!?」



何か来る・・・。

村の外は危険でいっぱいなの!?

雨も降ってきて、怪しい雰囲気。























と、思ってビクついてたのに

普通の人だった。



人じゃないけど

敵じゃなかった。

軽く意味不明な会話を交わし、

「じゃ、ボクは進まなくてはいけないので!」

新たな出会いを惜しみつつ、

手を振った。

どすーーん

どすん?
























「ななななななっ!!」



なんだアレわ・・・。

デカイ!多分デカイ!

どすんどすんいってるし。

いきなり人生終わっちゃうのかバジリコ。

外はやっぱり怖かった・・・。

























でも、



話せば

結構良いヤツ

だったみたい。

人間よりステキだよ化け物さん!

ボクも化け物ですけども!


ちょっと村を出ただけで、この展開。

バジリコの行く末って

この勢いですと、とってもドラマチックなんじゃないでしょうか。

もしかして、いつか人間に?!

いや・・・、それは吹っ切ったハズだ。



























数年後、

こんな平和な人間達の村。

畑を耕し、汗を拭きながら仲間達と一休み。



田舎だし、暮らしは貧しいけど

みんな心は豊かだ。

幸せだな。


そんな夢を見た。

「何だ・・夢か」























現実は、



襲ってた

ゾンビバジリコが。











<記録No.2終わり>